お陰様で、今年SI-HIRAIを始めてから26年目になります。
本当はキリの良い25年目に作りたかったのですが、間に
合わなかったので、si-si-siの53回目の秋冬の展示会で
皆様にお披露目することになりました。
いつも、ギリギリか後になって。。。そして間に合わず
そのままか。。。みたいなことが多い(笑)
沢山のお客様にご愛用いただいているsi-si-si comfortの
デニムジャケットN-603OWは、実は25年前にSI-HIRAIで
初めて作ったデニムのジャケットが元になっています。
その時は1シーズンの生産で終わりました。
ずっと買い続けてくれているお客様の中には、まだお使い
いただいている方もいると思います。
今回のsi-si-siの秋冬の展示会では、そのデニムジャケットを
25周年の記念に、これからの25年を目指して復活させようと
いうことになりました。。。もちろんサイズや素材は
当時のものから、ブラッシュアップさせています。
セットインスリーブを活かし、たくさん並んだボタンは
そのままで。。。今回も、1シーズンだけの生産です。
当時の赤いSIのネームと、si-si-siのネームの2つを付けています。
デザインというと、なんだか情熱やアート的なものを
想像するかもしれませんが、わたしのデザインの解釈では
『使い易く』なることが大部分を占めていて、『生活し易くなり
気持ちが潤う』ことも大事な『デザイン』だと思っています。
『作りたいと思ったものを作っている』、『今の気持ちを作品に
込める』というのは、『アーティスト』や和名だと『作家』さんの
領域でわたし達は作家さんとは少し違います。
どちらかというと、華やかじゃ無いかもしれないけど『職人』。
Siというベースになるものが有り、使い心地に合わせて
進化させていくsi-si-si は大体その様なことを、いつも
考えながら作っているので、皆さんの貴重な意見を
取り入れることが多いですし、繰り返し同じ形のものを
作ります。
何度も繰り返すことで、良いところは更に他にも繋げられますし
悪いところは改善できます。
展示会での発注が少なかったものでも、何度目かで
使ってもらったら増えていくものもあります。
形をやめていくことは、本当はエコでは無いと思って
います。
このデニムジャケットは、自分が着ていて素材が重かった。
腕が短いので、セットインだと肩の位置が解り腕の短さが
よくわかる。
ポケットに手を入れたい!
ボタンが沢山すぎて爪が心配などなど。。。
素材を薄いものに変える。
ラグラン袖に変える。
ボタンの数を減らす。
胸の下にポケットを付ける。。。
この様に変えていったのがN-603です。
先ほどの『デザイン』の捉え方は、わたしの捉え方で
SIを作る平井では、また捉え方が違います。
同じ仕事でも、ふたりの組み立て方は違います。
ただ、25年続けてきた仕事なので、それぞれがこれまでの
ことを更に追求する段階になってきたという感覚は
不思議なことなのですが、これはお互いに今考えていることです。
25年の月日を費やすことは、『流行』がある時代では
『古い』というデメリットでしか無かったと思いますが
SNSが蔓延すると、逆に新しさや古さが曖昧になった
のでは、と思います。
なので今ではその古さが個性となり、強みにもなっている
気がします。
『オタク』としては、生きやすい時代です。
セットインのジャケット、気になる方はお問い合わせ
ください。
N-603OW
↓
SI×si-si-siのN-503
こちらは、38サイズと40サイズ。
洗い加工はしていないので、お買い上げいただいた日から
ご自分で育てていただくことになります。
9月上旬からの発売予定です。